XP緊急起動ディスクの作成方法
起動不能トラブルが起きたときに、修正ツールの1つとしてぜひとも所有しておきたい、緊急起動ディスクの作成方法を説明するコーナーです。
一般に説明されている方法は、おもにフロッピーディスク版の緊急起動ディスクを作る方法ですが、現在のフロッピードライブを持たないPCの多さを考え、CD-R版の作成方法も紹介しています。また、あらかじめ緊急起動ディスクを作っておかなかったのに起動不能トラブルが出た場合に対処できるよう、別パソコンでの作成方法にも言及しています。
緊急起動ディスクがあれば、どんな起動トラブルでも起動できると誤解する方がいるようなので、最初に説明しておきます。 緊急起動ディスクは、Win XP/2000がインストールされているパソコンにおいて、以下のようなことを原因とする起動トラブルに対してのみ有効な起動ディスクです。
詳しくは、起動しないエラーのページをお読みください。 |
あなたのXP/2KのPCが既に起動不可能になっており、その原因がboot.ini の損傷によることがほぼ確実で、ファイルシステムがNTFS であって、なおかつ「理屈はどうでもよいから、手っ取り早く治したい」という方は、このコーナーではなく、EDITBINI のページをご覧ください。 |
目次
スレーブドライブ上のパーティションを作るために何をすべきか
- ここでいう緊急起動ディスクとは
- フロッピーディスク版の作成方法
- CD-R版の作成方法
- 別パソコンでの緊急起動ディスク作成方法
1.ここでいう緊急起動ディスクとは
HDDから2000/XPが起動する場合、ntldr / NTDETECT.COM というファイルが起動に関与する段階があります。boot.ini というのはこの ntldr の振る舞いを決める設定ファイルです。これらのファイルは、Cドライブのルートに存在します。(重要なシステムファイルなので、保護された隠しファイルになっています)
OSを追加インストールしてマルチブートにしたり、逆にアンインストールしたりすると、この部分、特に boot.ini に不具合が出てしまうこともあります。boot.ini を修正すればいいのですが、Windows自体が起動しないので、修正もままなりません。解決方法は幾つかありますが、何とかWindowsを起動させたうえで修正する方法が、普段からWindowsを使い慣れたユーザーや、DOSなんか触ったこともないというユーザーには望ましいでしょう。
この部分に生じた不具合を回避するために、フロッピーディスクやCD-Rなどの媒体でこれらのファイルの代替ファイルを提供してやり、そちら経由でブートさせることでOSを正常に起動させようというのが、ここでいう緊急起動ディスクの概念です。
上の図をご覧下さい。通常のブートの流れが赤い矢印だとすると、フロッピーやCD-Rを使うことによって、青い矢印経由で起動させようとするのです。
具体的なやり方を言うと、 ntldr / boot.ini / bootfont.bin / NTDETECT.COM / bootsect.dos(マルチブート環境のみ)というファイルを、HDDからコピーして、フロッピーディスクなどに貼り付けた媒体を作成することで、緊急起動ディスクを作成します。
XPの修復コンソールを使用する方法
なお、この緊急起動ディスクは、元々2000/XPがインストールされていないパソコンでは起動しません。緊急起動ディスクの最後の段階で、NTDETECT.COM はカーネルブートに必要なNTOSKRNL.EXEなどのファイルをHDD上から探し出し、制御を移すことが必要だからです。しかしブートファイル群に不具合が生じた場合には、ピンポイントで障害部位を回避するため、きわめて利にかなった救済ディスクになりえるのです。
このディスクを、できれば、2000/XPをNTFSで使用しているユーザーには事前に作っておいて欲しいと思います。ただし痛い目にあってからでないと、その気にならないと言うのが人間というものです(笑)。起動しなくなったときに、もう1台別のパソコンを調達できれば、そのパソコンで作った緊急起動ディスクからでもブートできます。少なくとも、OS再インストールをする前に試してみる方法としての価値は十二分にあると考えます。
『起動不能PCが緊急起動ディスクを使って無事立ち上がるようになったが、今後ずっとこのディスクを使い続けなければいけないのか?』という質問を掲示板で受けました。 そんなことはありません。上の図をもう1度見てください。緊急起動ディスクを使うと立ち上がったということは、赤い矢印のほうの流れ、すなわち、MBR(ブートストラップローダ)・ブートセクタ・NTLDRなどのブートファイル群のどこかに損傷があると言うことですよね。MBRやブートセクタの損傷の回復方法に関しては起動トラブルのページをご覧いただくとして、NTLDRなどのブートファイル群の損傷ならば、損傷していない正常なファイルで上書きしてやれば良いだけのことです。そして、その損傷していないファイルと言うのは緊急起動ディスクの中にあるわけだから、これをコピー元にしてやって、システムパーティションのルート(ほとんどの場合はC:¥)にコピーしてやればいいのです。この操作は、緊急起動ディスクを使っ� �立ち上げたWindows上でExplorerを使って行えるので、回復コンソールの時のようなコマンド知識は不要です。 ただし、C:¥にあるブートファイル群は誤った操作によって簡単に書き換えられてしまわないように、属性によって保護されています。そこで、以下のようなバッチを使うと簡単です。 ラップトップはLinux RedHat 9でフルスクリーン表示されません。 attrib -s -h -r a:¥nt* attrib -s -h -r a:¥boot* attrib -s -h -r c:¥nt* attrib -s -h -r c:¥boot* copy a:¥ntldr c: copy a:¥ntdetect.com c: copy a:¥boot.ini c: copy a:¥bootfont.bin c: attrib +s +h +r c:¥nt* attrib +s +h +r c:¥boot*メモ帳を新規に立ち上げて、以上の10行をコピーして貼り付けます。その後「名前をつけて保存」しますが、このとき 1.bat と言う名前にしてください。1.bat.txt などにならないように注意してください。拡張子はbatです。 できあがった1.batのアイコンを、緊急起動FDを挿入した状態でダブルクリック。一瞬黒っぽい窓が開いて文字が走って窓が消えると思います。FDDもカチャカチャ動きます。これでコピー完了です。 その後、FDを抜いて、Windowsを再起動してみてください。NTLDRなどのブートファイル群の損傷だった場合は、これで正常にWindowsが起動します。 なお、以上のバッチは、緊急起動ディスクがAドライブ、システムがCドライブの場合のものです。CD-R版緊急起動ディスクなどで、緊急起動ディスクのドライブ名が異なる場合、あるいはbootsect.dosが含まれる場合などは、適宜修正したうえでお使い下さい。 また、緊急起動ディスクを使えばWindowsが立ち上がるが、トラブルの原因がMBRやブートセクタにあるのか、ブートファイル群にあるのか判断が付かない場合は、とりあえず以上の操作を行ってみることです。治ればブートファイル群が原因だったことが分かるし、なおも起動しないようならば、MBRやブートセクタの回復操作に進めばよいからです。 |
2.フロッピーディスク版の作成方法
もしも、あなたのパソコンがフロッピーディスクドライブを内蔵していたり、あるいは外付けのフロッピーディスクドライブをお持ちで、BIOSの設定により、そのドライブからブートが可能であるという場合には、緊急起動ディスクを作るのはきわめて簡単です。この場合には、次章で説明するCD-R版緊急起動ディスクを作成する必要は全くありません。(CD-R版のみが必要な方も、基礎知識としてこの章をお読み下さい。)
手順は
- フロッピーディスクを1枚用意し、フォーマットする。
- フォルダオプションにおいて、隠しファイルや保護されたファイルも含め全てのファイルを表示するように設定する。
- ntldr / boot.ini / bootfont.bin / NTDETECT.COM / bootsect.dos(マルチブート環境のみ)という4個ないし5個のファイルをルートフォルダ(多くの場合C:¥)から探し、フロッピーディスクにコピーする。
- 2で行った設定を元に戻しておく。(安全のため)
- 作成した起動ディスクで起動できるか試しておく。
うっかりミスしやすいのが項目1のフォーマット作業です。必ずXP/2000においてフォーマットしてください。たとえばWin98でフォーマットしたフロッピーディスクでは起動しません。誤解している方がいるかもしれませんが、フォーマットという作業は、(たとえばディスク上のセクタを全て0で埋めるというような)完全消去という意味ではないのです。XP/2000上でフロッピーディスクをフォーマットすると、先頭セクタに ntldr を使ってブートするためのプログラムが知らないうちに書き込まれているのです。上のブートの流れを示した図で言うと、ピンク色の領域にブートセクタというのがありますよね。XP/2000上でフォーマットすることによって、このブートセクタが作られるのです。
項目2の隠しファイルの表示に関しては、こちらのページを参考にしてください。
項目3に関しては、コピーして貼り付けでも良いし、ドラッグ&ドロップでも良いし、右クリックして「送る」メニューからフロッピーを選んでも良いし、お好きなやり方でコピーしてください。
なお言うまでもないことですが、この緊急起動ディスクを使って起動する際には、BIOSでFDDをHDDよりも起動順位で優先させておく必要があります。BIOSに関しては、ご自分のパソコンやマザーボードのマニュアルを参照してください。
起動しなくなってから、別パソコンで、緊急起動ディスクを作ろうという方
こちらのページをご覧下さい。
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